ぐみおさん家のげーむ事情。 https://ymshgames.com 大切な事は全てゲームから学んだ…ゲーム好きの関西人の雑記。 Sun, 31 Mar 2024 02:54:25 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.5.2 105067712 [ゲーム紹介+簡易レビュー] Bullet Storm / 撃ち合いだけが全てじゃない“フルボッコ系FPS”の魅力とは?  https://ymshgames.com/bullet-storm/ https://ymshgames.com/bullet-storm/#respond Sun, 31 Mar 2024 03:00:00 +0000 https://ymshgames.com/?p=1975 Continue Reading ]]>

芸術的なまでに激しく、銃弾の嵐Bullet Stormをブッ放せ!

舞台は今から500年後の未来。サラノ将軍の策略によって軍を追われてしまった「デッド・エコー」のメンバーたちは、復讐を果たすため将軍が乗船している戦艦「ユリシーズ」へ特攻をかけるもその圧倒的な戦力を前に敢え無く敗北してしまう。彼らの戦艦は墜落し、廃墟と化した惑星ステージアへと不時着するが、そこは彼らを歓迎しないクソッタレ共の巣窟だった──

仲間の助けを得て辛うじて生き残ることができた隊長の“グレイソン・ハント(グレイ)”とその相棒“イシ・サトー(イシ)”は、この惑星からの脱出と将軍への復讐を果たすため、クソッタレ共が蔓延る弱肉強食な世界で窒息覚悟な大冒険に身を投じる。

前書き

“フルボッコ系FPS”と命名された本作こと『Bullet Storm』は今までのFPSとは一線を画す斬新で新感覚なものとなっており、FPSの基本である撃ち合いだけでなく、そこにアグレッシブなアクションを取り入れることでユニークなプレイを成立させ、単に敵を倒すのではなく、どのようにして芸術的に、そして残虐的に敵を倒すかという点に重きを置いた作品となっている。なので、そこらのFPSと同じような“敵を撃って倒す”だけなんてナンセンスな戦い方をしていちゃこのゲームではやっていけない。

周りの環境、相手の特徴、自分の武器を見極めてハイレベルな敵の倒し方を実現させてこそ本作の真価が発揮されるのだ。これは直接ゲームシステムにもリンクしており、つまんねー戦い方をしているヤツには経験値は溜まらない仕組みになっている。つまり、有利に進めていくには必然的に常に最高の料理法を考えることになるため、割と頭を使う作りになっているのだ。このように実は結構タクティカルな内容なので、考えなしに遊びたい方には優しくないゲームであることをまず断言しておく。

開発を手掛けたのは知る人ぞ知る『Unreal』『Gears of War』シリーズを生み出してきた洋ゲー界の重鎮“Epic Games”と、未だにオールドスクールなFPSゲーマーから根強い人気を誇る『Painkiller』シリーズを樹立させた“People Can Fly”の二社だ。実績のあるこの二社の共同開発によって制作された完全オリジナルな本作には胸を躍らせた方もいるのではないだろうか?両メーカーの持ち味も所狭しと含みつつ、これまでのFPSでは見られなかった全く新しい形の面白さへ挑戦している点は、昨今の代わり映えしないFPSに食傷気味なプレイヤーでも、その心をリフレッシュして欲求を満たしてくれること請け合いだ。

「ただの撃ち合いにはもう飽きた」──そんな貴方には『Bullet Storm』がピッタリだ!

FPSというだけあって銃を使って敵を倒すのは大前提なのだが、『Bullet Storm』はその部分が大きく拡張されており、ゲームプレイに “引き寄せる” “蹴り飛ばす” といったアクションを組み込むことで根幹から他のFPSとの差別化を図っている。そして、そのアクションに面白みを持たせているのが本作の主眼となっている“敵の倒し方”に拘ったプレイスタイルであり、この要素が見事にマッチし、これまでに無かったゲームプレイを我々に体験させてくれているのは高く評価するべき点である。

では、その本作の特徴にもなっている “引き寄せる” “蹴り飛ばす” といったアクションについて少し解説していこう。

リーシュと呼ばれる電磁ムチは敵やオブジェクトといった様々なものを捕縛し、目の前まで引き寄せられる優れ物だ。引き寄せること自体には殺傷力は生じないが、コイツを上手く応用すれば様々な状況下でも有利な戦いに持ち込める。割と遠距離にも届くのでその使い勝手は勿論サイコーだ。ただし、その物体が重すぎる場合は目の前まで引き寄せられないぞ。また、目の前まで引き寄せるリーシュとは逆に重量感抜群のキックでは目の前の物体をぶっ飛ばすことが可能となっている。

因みに引き寄せたり蹴っ飛ばしたりした敵は数秒間スローモーションになるので、その隙がコンボを決められるチャンスだ!この他にも物体をまとめて空中高く放り上げるサンパーやスライディングキックといったアクションも存在するので、これらを用いることで多彩な倒し方を生み出していける。倒し方については次の項で解説するのでそっちをチェックだ。

『Bullet Storm』にはスキルショットシステムが導入されており、これが本作の肝心なシステムとなっている。要は設けられた条件通りに敵を倒すことでスキルポイントを獲得し、それを消費して武器を購入・強化したりする仕組みだ。勿論、スキルショットを一度達成したからといって次から同じ項目でスキルポイントが獲得できなくなるということはなく、何度でもスキルポイントは獲得できるようになっている。また、初回達成時に限りスキルポイントを通常の5倍獲得できるぞ!それと敵を複数巻き込んでスキルショットを決めればスキルポイントにボーナスが付加されるので積極的に狙っていくべし。

武器を購入・強化するには道中に配置されているドロップキットにアクセスしてドロップショップを利用すればOKだ。ここでは他にも弾薬やチャージショットの補充(有料)や装備する武器の選択なども行えるので何かとお世話になるだろう。武器もユニークな特性を持ち、プライマリファイアとチャージショットと呼ばれるセカンダリファイアが用意されており、状況に合わせて使い分けていく&リーシュやキックとコンボすることでそれぞれの武器の特性を活かした戦闘を楽しめるぞ。武器は全部で7種類存在し、常時携帯のPMC(アサルトライフル)の他に2種類の武器を任意で携帯することが可能だ。

プレイヤーのサディズムが発揮される“Kill With Skill”

前項を踏まえつつ、この項ではキャッチコピーにもなっている“Kill With Skill”について具体的な解説をしていこう。『Bullet Storm』では多種多様な“敵の倒し方”があり、それを総括したものが前項でも紹介した“スキルショット”である。察しの良い方はもう既に前項で紹介したリーシュやキックなどのアクションを使った倒し方が頭に浮かんでいるはずだ。そう、リーシュで目の前まで敵を引き寄せて、更に蹴っ飛ばし、そこに銃弾の嵐を浴びせる──これが本作のセオリーなのだ。

しかし、これは数ある敵の倒し方の中でもほんの一例に過ぎず基本中の基本の部類であり、本作の中では単純な倒し方である。ならばより高度にするにはどうすればいいのか?答えは簡単だ、周りの環境やオブジェクトなどを味方につければいいのだ。

例を挙げると敵を引き寄せる際にサボテンや電気などへ直接衝突させるor引き寄せた敵を蹴り飛ばしてそれに衝突させたり、敵を高いところから落としたり、天井のある場所でサンパーを発動して敵を天井へ叩きつけたりなどその手段はとにかく多い。それ以外にも武器ごとに用意されたスキルショットもあり、それら全部で131種類ものスキルショット項目が用意されている。

“Unreal Engine 3”で描かれる高精細なグラフィックは一見の価値あり

People Can Flyの創設者『Adrian Chmielarz』氏はグラフィックはあまり気にしていないと発言していたが、さすがUnreal Engineの本家であるEpic Gamesが関わっているだけにそのグラフィックは文句なしの出来栄え。本作で使われている“Unreal Engine 3”がどの程度の調整を施されているのかは分からないが、かなり凄いのは確かだろう。これといって目立った処理落ちやテクスチャマッピングの貼り遅れなども無く動作も非常に快適なものとなっている。

舞台となるのがかつて夢の街と言われていた場所だけあって、所々にその面影が感じられるデザインなのも魅力的な部分だ。遠方まで丁寧に描写されているので壮観な光景が見られるポイントも多く、ちょっとした観光気分を味わえるぞ!以上から目の肥えたグラフィック愛好家にも自信を持って勧められる。それほどまでに本作の視覚表現は優秀な部類である。

より激しく華麗に良い成績を目指せ!“エコーズモード”で更に『Bullet Storm』を極めろ!

キャンペーンで『Bullet Storm』のコンセプトを理解しスキルショットにも慣れたら、次は「エコーズ」で腕試しだ。このモードは所謂スコアアタックで如何に早くクリアできるか・上手くスキルショットを決められるかが鍵となっており、キャンペーンで使われていたマップの一部分をピックアップした十数種類のステージでハイスコアを目指していくことになる。基本的にキャンペーンで遊んだシーンと同じ内容となっているが、こちらでは余計なカットシーンなどは全て除かれている。

武器はスタート時に選択でき、道中のドロップキットでも変更可能。その際には弾薬やチャージショットなども全補充される。また、スキルショットの達成状況も毎回リセットされるため、初回達成の5倍ボーナスがこのモードでは非常に重要であり、一回のプレイで異なるスキルショットをどれだけ多く織り交ぜていけるかによってそのスコアは大きく変わってくるのだ。

キャンペーンよりも更にスキルショットの達成に焦点を当てたスコアアタック的な内容なので人を選ぶだろうが、スキルショットの達成に特化しているだけあって、そういった意味ではキャンペーンよりもテンポ良く遊べるだろう。オンラインランキングにも勿論対応している。スコアを競うのが好きならばこのモードはとても魅力的に映るはずだ。

獲物はオレだけのモノじゃない!?最大4人による協力マルチプレイ“アナーキーモード”!

『Bullet Storm』には一般的な対戦プレイは存在しないが、激アツな最大4人による協力プレイが用意されているぞ。「アナーキー」と呼ばれるこのモードはウェーブ形式で押し寄せる敵を協力して倒していくのが目的となっている。このゲームのことだからもう言わなくても大体分かっていると思うが、これもただ敵を倒しているだけではクリアできず、ウェーブ毎に設定された目標スコアに到達するため協力してスキルショットを達成してスコアを増やす必要があるのだ。性質上、意思疎通ができないとまるで連携が成立しないのでプレイヤーはVC必須といっても過言ではないだろう。

因みにパブリックマッチとプライベートマッチが存在するが、上記の通り協力を要するのでパブリックマッチではやりにくいか。とはいえ、嬉しいことにプライベートマッチでもパブリックマッチと変わらない条件で遊べる(経験値も獲得できる)ので問題はない。

協力マルチプレイということもあってシングルプレイとは異なる箇所も多く見られ、より戦略性がアップしている印象。武器はPMC以外に一種類までしか所持できず、リーシュにもリチャージタイムが設定され連続で使用できなくなっている。他にもドロップショップのアップグレード項目がシングルプレイと比べて多く、プレイヤーの強化なども行えるようになり、武器も弾薬・チャージショット増加だけでなく、連射速度やリロード速度などの細かい部分も強化できるようになっている。加えてブラッド・シンフォニーという能力が備わっており、これは敵を倒してゲージを溜めればいつでも発動することが可能で、発動中はキックやスライディングキックで敵を一撃で倒すことができ、尚且つ敵を一体倒すごとに250SPも獲得できるぞ!

「アナーキー」にはプレイヤーレベルが設けられていて、獲得した経験値(スキルポイント)によって上昇していく。レベルが上がっても能力的な変化は無いが、見た目などの種類が増えていく。プレイヤーレベルは最大で65レベル。こういった要素はレベルを上げる特典としては少々薄い気もするが、PMCのカスタムペイントは個人的には嬉しいところだ。それに全身一括ではなく個別にヘルメットやアーマーなどを選択できるので組み合わせの幅を持たせているのはグッド。

実際に「アナーキー」をフレンドと一緒に遊んだが、とにかくVCの有無で遊びやすさに天地の差を感じるので、もう一度書いておくがこのモードをしっかりクリアしたいならVCは必須。VC無しでは“チームチャレンジ”がまず達成できない。2人だけならまだしも3、4人となるとどういう風に動けばいいのかしっかり伝えないと確実にぐだぐだになってしまう。しかし、4人全員がフレンド且つVC有りで連携して遊べばたちまちこのモードは激アツな面白さを見せてくれること必至だ!

だが日本語版は規制まみれのクソッタレだ。購入するなら海外版がゲーマーにとってのジャスティス!

「どうしてこうなった・・・」オリジナルの表現を知った時、ここまで違っているのかと私は日本語版に落胆してしまった。日本語版における規制を簡単に紹介しておくと、出血無し、部位欠損無し、死体などの残虐なオブジェクトの排除などだ。確かにこういった規制は他のゲームでもよくある事例なのだが、『Bullet Storm』におけるこの規制は非常にマズいのだ。

芸術的で残虐的な“敵の倒し方”を売りにしているのに、それらのリアクションが軒並みマイルドになってしまったことにより、その売りである部分が大きく損なわれてしまっているのだ。ゲームプレイに大きく関わる部分なだけに残念でならない。そういった表現の違いに伴ってせっかくのマルチプレイも隔離サーバーとなってしまっているのだから堪ったもんじゃない。果たしてこのような規制を強いてまでCEROレーティング【D】で『Bullet Storm』を出す必要があったのだろうか・・・?というわけで本来の表現で『Bullet Storm』の“Kill With Skill”を楽しみたい方は海外版の購入を強く推奨する。

日本語版だからといって楽しめないわけではないが、規制でここまでゲームが変わってしまうのかと驚くことになるだろう。

概評

日本語版では規制のせいで少し評価が下がってしまったが、『Bullet Storm』は紛れも無い良作だ。これは断言できる。発想や着眼点が素晴らしく、それをしっかり面白く味付けして今までに無いタイプのFPSを生み出すことに成功している。リーシュやキックなどを用いたサディズム全開の(一方的な)戦いは爽快感もあってド派手で見ている分にも気持ちがいい。

それほど大きな期待を寄せていたわけでもなく、悪い言い方をすればそこまで面白くないだろうと当初は思っていたのだが、予想していた以上に新感覚の面白さ、所謂オリジナリティを秘めていたので見事に期待を裏切ってくれたゲームだった。

やり込み要素は薄いのでプレイ自体は長続きしないだろうが、その代わり非常に密度の濃い数十時間を提供してくれるだろう。

☆おさえておきたいポイント [Good Side]☆おさえておきたいポイント [Bad Side]
・他のFPSとは一線を画す斬新で新感覚なゲームスタイル。
・全てにおいてド派手で爽快感を強く感じられるデザイン。
・武器がどれも個性的で死に武器が一つも無い。
・ストーリーや演出も意外と手堅く作り込まれている。
・グラフィックには思わず「おおーっ!」と感心するレベル。
・ロケーションも豊富なので景観も楽しみつつ遊べる。
・数少ない登場人物はどれも印象強く魅力的。特にイシ。
・トリシカちゃんの汗ばんだタンクトップ姿がエロいぞ!
・日本語版は規制が激しく本来の面白さを損なっている。
・日本語版のマルチプレイは隔離サーバー。
・プリレンダムービーにブロックノイズが見られる。
・表示される字幕が小さく、見難く感じることが多い。
・引き継ぎや特典が無くキャンペーンのリピート性は薄い。
・一部で稀に進行不能・装備が消えるバグが存在する。
・オンラインパス認証有りなので中古購入は要注意。

☆備考 / 気になったところ / 書き留めておきたいところ
・続編に続きそうなエンディングだったので『Bullet Storm 2』に期待。
・脚本を書き下ろしたのはマーベル・コミックの“パニッシャー”などで知られる『Rick Remender』氏。
・英語音声日本語字幕、翻訳センスはなかなかで汚い言葉の訳し方が上手い。日本語として特に可笑しなところは無い。
・キャンペーンは難易度によって敵の攻撃力などが変わるだけでなく、ドロップショップの必要スキルポイントも上下する。
・クリティカルイベントというQTEがあるが、どれだけ素早く反応できたかによってスキルポイントが獲得できるだけで、たとえ失敗したからといって即死やダメージを喰らうわけでもないので比較的ゲームテンポも乱れない手法だった。

[PS3]『Bullet Storm』Ver.1.03 – 日本版レビュー
Gumio’s Score : 7 / 10 筆者:ぐみお ※この記事は前ブログで2013年に執筆したものです。

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[ゲーム紹介+簡易レビュー] Dead Space Extraction HD / ガンシューティングで楽しむ前日譚  https://ymshgames.com/dead-space-extraction-hd/ https://ymshgames.com/dead-space-extraction-hd/#respond Sun, 31 Mar 2024 00:00:00 +0000 https://ymshgames.com/?p=1910 Continue Reading ]]>

「クソっ、宇宙人はいたんだ」「で、俺達を殺そうとしてる」

舞台は宇宙開拓が進んだ未来。イージス星系の惑星“イージスVII”で採掘を行なっていた“USGイシムラ”と地上コロニーは、赤い光を発する不気味な謎の鉱物を発見する・・・技術者たちはその鉱物の解析を進めるも、突然その鉱物は強い発光と衝撃波を起こす。それと同時に謎の病原菌が発生、蔓延る奇病により精神異常をきたした者たちの殺戮、そして突如現れる異形のクリーチャーたち。絶望と恐怖に支配された“イージスVII”での生き残りを賭けた生存者たちの必死の脱出劇が今まさに始まろうとしていた──

前書き

本作は『Dead Space』シリーズのスピンオフ作品。時間軸としてはシリーズ本編主人公の“Isaac Clarke”がUSGイシムラへ訪れる前、つまり『Dead Space』の物語よりも前の物語が描かれており、USGイシムラがあのような惨状に至るまでの過程が知れる作品でもある。

元々この『Dead Space Extraction』Wiiで発売されており、『Dead Space』シリーズの中で唯一日本でも発売された作品でもある。ただし、案の定ながら日本で発売された本作は表現規制によって人間に関する欠損描写は無くなっており(ネクロモーフは欠損あり)、一部重要なシーンが規制によって丸々カットされ、後のストーリーが改変されてしまっているのでちょっとおかしなことになっている。とはいえ、日本語吹き替えで本作を楽しめるのはシリーズ経験者からすれば逆に新鮮で面白く感じる部分もあるかもしれない。

というわけで、そんなWiiで発売された本作をPS3向けにHDリマスターしたのが今回紹介する『Dead Space Extraction HD』である。

残念ながらPS3版は日本語版は無く海外版のみとなっているが、海外版ではオリジナル表現&ノーカットでプレイできるぞ!PS3版のみ『Dead Space 2』のCollector’s EditionとLimited Edition(初回限定版)に本作が特典として収録されているので、ついでに遊ばれた方も多いのではないでしょうか。実は私もそのクチでございます。太っ腹な特典、大いに嬉しい限りですね。勿論、特典のみではなく普通にダウンロード販売もされている。まぁわざわざ購入して・・・という方は少ないかもしれないが。

より深く『Dead Space』のことが知れる前日譚

基本的にステージの大半がUSGイシムラとなっているので『Dead Space』と共通しているステージが非常に多いのだが、同じ場所でも『Dead Space』では惨劇後を描いているのに対して、本作ではその惨劇に至るまでの様子が描かれているので、「こういうことが起きたから本編ではああなってたのか」とより理解が深まり、ストーリーをより面白く昇華させているはグッド。

ただ『Dead Space』がどんなストーリーだったのか知っている前提で遊ばないと、本作のストーリーにはさほど惹かれないと感じる。ストーリーを楽しみたいなら、あくまでスピンオフ作品であることを念頭に置き、本編を知った上でこのゲームに触れるべきである。個人的にはIsaacの恋人であるNicoleが生存時にどういうことをしていたのかなどが見られたのは非常に興味の湧くポイントだった。

暗闇から!背後から!天井から!ネクロモーフ共にズタズタにされる前にズタズタにしてやれ!

奴らはどこからでもやってきやがる・・・油断しているとこっちがズタズタにされちまう・・・殺られる前に殺るしかないぜ!本編と同じく、クソッタレに気味の悪いネクロモーフ共が本作でも多く登場する。また、本作オリジナルのネクロモーフもいるぞ。

お馴染み“ 戦略的部位切断”が本作でも継承されているので、ヘッドショットが大ダメージなんて概念はネクロモーフには通用しないぞ!闇雲に攻撃するのではなく、確実に手足を撃ち抜いて切断し、動きを鈍らせ戦力を削ぐことこそこの世界における生存への近道だ。

操作の単純化で遊びやすく!直感的に楽しめるガンシューティング!

原則として本作は一人称視点で自動的に進んでいき、現れる敵を残らず倒していくといったそんなゲームとなっている。TPSからガンシューティング(レールガンシューティング)に姿を変えた本作は、その雰囲気を壊さずに上手く保持したまま、本編とはまた違ったガンシューティングならではの直感的な要素を『Dead Space』の世界に落とし込むことに成功している。

“直感的”で最高にクールなのが武器のクイックリロードシステム。特定のタイミングでリロードすると瞬時にリロードが完了するのだが、タイミングを間違えるとリロード時間が通常よりも延長されてしまうというデメリットもある、言わば諸刃の剣のような要素である。これが緊張感を表現する一つとして割と上手く機能しており、焦っている時こそこの要素が頼りにもなり、もどかしくもあるのだ。

そしてもう一つ、PlayStation Move使用時の“捻り”の動作も面白く取り入れていると感じた。これも個人的に気に入っている。武器を構えている時にPlayStation Moveを右か左に捻るとプライマリモードからセカンダリモードに変化するという仕組みだ。なんてことないのだが、プラズマカッターを装備した状態で捻ると射出方向が垂直から水平に切り替わって私は凄くときめいたよ。

また、いくつかパズルシーンもあるのだが、敵を撃退しつつパズルを解いたりする場面もあってなかなかハラハラするようになっている(パズルは障害物に当たらないよう線を繋げていくというもの。例えるなら“イライラ棒”のようなものと思ってもらうと分かりやすいか)。

通常のコントローラーでもプレイに支障は無いが、やるならやはり、より直感的な操作ができるPlayStation Moveの使用を推奨する。手に握ったPlayStation Moveはさながら活路を開くための武器であり、度重なる危機的状況からプレイヤーを救ってくれるだろう。もはや自分で何を言っているのかも分からなくなってきたが、とにかくPlayStation Moveの方が面白いし遊びやすいということだ。

武器(工具)は10種類!この地獄で頼れるのは己と特徴的な武器たちだけだ!

お待ちかね!戦うには武器がないと始まらない!本作でも様々な工具という名の武器がネクロモーフ退治に一役買ってくれるぜ!プラズマカッターなどのお馴染みの武器から、本作オリジナルのアークウェルディングガンなど10種類の武器が用意されているぞ。

上記でも触れたが全ての武器にプライマリモードとセカンダリモードというのが存在し、異なる攻撃をすることが可能となっている。これを状況に合わせて上手く切り替えつつ戦っていくのが攻略の鍵。因みにリベットガン以外は弾数有限だからその点は注意。武器はステージの道中に落ちていて拾うと以降使用可能となる。最大で4種類の武器を所持することができ、それ以上は入れ替えとなる。また同じように道中に落ちている武器のアップグレードアイテムを拾えば武器が永続的に強化されるので見つけたら即ゲットしよう!

因みに私のお気に入りの武器は“フレイムスロワー”!ヒャッハー!ネクロモーフ共を焼き尽くしてやるぜー!汚物は消毒だー!

おう、忘れちゃいけねぇぜ。勿論、本作でも“ステイシス”が使え、対象の時間の流れを遅くして一定時間スローにすることができるぞ。本編同様、敵の足止めだけでなく高速で動くものに対しても有効だ。当然、無限には使えないので見極めて使っていくべきである。

2人で遊べば戦力も二倍!1人でPlayStation Moveを二つ持ってのダブルガンプレイも楽しいぞ!

地味に協力プレイだってできてしまう本作(オフラインのみ)。単純な二人プレイではなく、パズルなども協力プレイ向けに変化する。とはいえ、内容が内容なので家族や友人とわいわい言いながら遊ぶようなゲームではないので、あまり協力プレイで遊ぶことはないかも。

否、協力プレイをするにしても何ももう一人用意する必要はなく“右手と左手が協力してプレイする”ということだって可能なんだ。手元にPlayStation Moveが二つあれば夢のダブルガンプレイが楽しめるぞ!普通の遊び方に飽きてきたら次はコレだ!

自動で進んでいくガンシューティングの弊害

TPS形式の『Dead Space』では「絶対ここ敵出るじゃん・・・あー行きたくない・・・!」と恐怖に打ちのめされつつも、どこから敵が出現するか分からない中を自ら先に進めなければならず、“探索”することにも大きな恐怖感と緊張感を生んでいたが、本作ではこのガンシューティングというジャンルの性質上、そういった恐怖感はかなり薄れているので大して怖さは感じない。自動進行のため初回プレイ時でも「あーこの感じだとここ出てきそうだな、構えとこ」といったように予測できてしまうので、ホラーゲームが基本苦手な自分でも殆どビックリすることはなかったかな。“自由”と“束縛”ではこうも見え方が変わるのだな。

概評

『Dead Space』のようなホラーを求めていると肩透かしを食らうことになりますが、スピンオフ作品としては良い出来。異なるジャンルで体験する『Dead Space』の世界からはまた別の部分が見えてきて、よりこのシリーズに深みを持たせている。シリーズファンならやっておいて損はないだろうし、シリーズを知らない方でも普通にゲームとして楽しめることには楽しめます。余談ですが、Wii版(日本語版)もアレはアレで好きです。規制がネックだけど日本語吹き替えは良かったと思うよ!

☆おさえておきたいポイント [Good Side]☆おさえておきたいポイント [Bad Side]
・雰囲気をそのままに上手くガンシューティング化させている。
・シリーズの要である“戦略的部位切断”との相性が特に良い。
・クイックリロードシステムが戦術的で上手く機能している。
・武器が豊富、各武器プライマリ/セカンダリあって特徴的。
・PS Moveが無くてもコントローラーで問題なく遊べる。
・本編と比べると本ジャンルの弊害もあり、ホラー要素は薄め。
・ムービーがスキップできず、二周目以降は萎える要素に。
・上記とボリューム不足も相俟ってリプレイ性に欠ける。
・アイテム取りづらい。もう少し判定を広げてほしかった。
・拾得したログを後からでも読めるようにしてほしかった。
・敵が引っ掛かり進行不能になってしまうことが稀にあり。

☆備考 / 気になったところ / 書き留めておきたいところ
・前日譚として本編に繋がるストーリーなので『Dead Space』を遊んでから本作を遊ぶのがオススメ。
・大体ストーリーモードをクリアするのに掛かる時間は4~6時間程度。
・ゲーム難易度はNormal、Hard、Expert、Impossibleとあるが、NormalとImpossibleでも難しさにそれほど差は感じられない。
・『Dead Space』でもあったように、本作も各チャプターの頭文字を繋げるとストーリーに関わる言葉が浮かぶ。
・割と視点移動が速かったり、揺れたり、ぐるぐる動いたりとキツめなので3D酔いしやすい方には向かないかもしれない。
 因みにWii版の公式サイトで「全米が吐いた!」というキャッチコピーがあったが──なるほど、そういうことだったのか・・・(違)
・本作に登場する主要人物のGabe Wellerは『Dead Space 2』のDLC“Severed”の主人公として活躍する。その結末は・・・
・元がWiiだったからか全体的にデザインが本編以上にバタ臭く感じたかな。Lexineのアイシャドー濃すぎじゃない?

[PS3]『Dead Space Extraction HD』Ver.1.00 – 北米版レビュー
Gumio’s Score : 7 / 10 筆者:ぐみお ※この記事は前ブログで2014年に執筆したものです。

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ゲームはパッケージ版か、ダウンロード版か。 https://ymshgames.com/marketing-game/ https://ymshgames.com/marketing-game/#respond Sat, 25 Sep 2021 04:00:00 +0000 https://ymshgames.com/?p=1435 Continue Reading ]]> それはやがて、大きな悩みとなった。

ファミコンが登場したゲーム黎明期から現在に至るまでを体験できたことは、私にとっては何ものにも代えがたい価値があると思っている。まさにゲームと一緒に成長してきた感じだ。たった数十年でここまで進化を遂げているのは、正直驚いている。特に視覚面での進化は凄まじいものだ。令和におけるゲームは「もうこれ実写ですやん」と言わんばかりのクオリティのものも多くなってきた。とはいえ、”凄いのが当たり前”となり、現行ではややインフレしてきた感も否めないので、次のゲーム業界の一手でどのように私達を驚かせてくれるのか、楽しみで仕方がない。

ただ、困っている。とても困っている。ゲームの販売方法についての話だ。 私はコンソールゲームをメインにしていることを、まず留意していただきたい。 元来のパッケージ販売に加え、現在ではメジャーになってきているダウンロード販売、ついにはゲームにも”PlayStation Now“や“Xbox Game Pass“といったサブスクリプションが導入され、更にストリーミング方式でも遊べる時代となった。本当に便利で良い時代になったとしみじみ感じているのだが──

丁度、今はパッケージ販売からダウンロード販売に主軸が移り変わっている時期とでも言うのだろうか。大手メーカーを除いて、ダウンロード版しか販売しないという選択も増えてきた(これにはインディーゲームの台頭も関わっているだろう)。ゲームハードでディスクドライブ非搭載モデルなんてのも登場している。しかし、ハッキリ言って私はゲームはパッケージ版派である。だが、今のダウンロード版が主流になりつつある状況を受け入れる為、必死に自分を説得しているところである。コレクター気質のあるゲーマーにとっては、この販売方法については深刻なテーマなのだ。

そもそもパッケージ版のメリット・デメリット、ダウンロード版のメリット・デメリットを、あくまで主観ではあるが明確にしておこう。

パッケージ版のメリット・デメリット

メリット

  • 飾ったりコレクションできる
  • 中古売買が可能
  • 貸し借り可能
  • フィギュア等の限定の特典がある

デメリット

  • ディスクの入れ替えに手間がかかる
  • 購入するのに販売店まで通わなければならない持ち帰るまで遊べない・売り切れの可能性もある
  • ディスクの破損・紛失の物理的リスクがある
  • 物理的な収納場所が必要

ダウンロード版のメリット・デメリット

●メリット

  • ディスクの入替が不要
  • ダウンロード専売タイトルが遊べる
  • 売り切れがなく、発売日に日付が変わった瞬間すぐ遊べる(販売店で購入する必要がない)
  • 物理的な収納場所が要らない
  • ディスクの破損・紛失の物理的リスクがない

デメリット

  • 関連付けているアカウントが消えると終わり
  • パッケージ版より相場が高いことが多い
  • 不要になっても売却できない
  • ストアサービスが終了したらダウンロードできない

各方のメリット・デメリットはこんなところだろうか。 あくまでどちらが良いのかを考えているので「パッケージ版もダウンロード版も全部購入すれば良い」という極論はこの場では控えるが、ゲームをストレス無く遊びたいなら、ダウンロード版一択になるだろう。ただ、物として飾ったりコレクションしたりして所有感を満たすことができるのはパッケージ版だけである。

どこを重点的に考えるかによって、どちらが良いかは分かれるだろう。ゲームを遊ぶだけならダウンロード版、副次的な部分も満たしたいならパッケージ版という感じか。しかし、パッケージ版は無い、ダウンロード専売タイトルも増加していることも事実。普通に考えれば現行ではストレスフリーで専売タイトルもあるダウンロード版に軍配が上がる。

しかし、アカウントと関連付けて管理されている今のシステムは便利な反面、怖さも感じている。万が一ではあるが、アカウントが何かのトラブルによって削除されてしまったり、乗っ取られたりして取り戻すことができなければ、ダウンロード版は全て水の泡になってしまうことに対して不安を拭えないのだ。パッケージ版は仮に新しいアカウントになったとしてもそのまま遊べるが、ダウンロード版はもう一度購入しなければならない。

ただこれは逆のことも言える。例えば私が実際に経験したことなのだが、まともに震度6の地震を喰らってしまい、自宅のゲーム棚が倒れてパッケージとゲームディスクが破損してしまったことがあった。この時ばかりはダウンロード版にしておけば良かったと感じた。ダウンロード版であれば、本体とアカウントさえあればなんとかなるのだ。

あれ?今まで漠然とパッケージ版派としてきたが、改めて長所短所を考えているうちに、ダウンロード版も良いなと思えてきたぞ…?

パッケージ版をずらーっと並べて飾ったりコレクションするのが好きだが、もうそういう時代では無くなってきたのかもしれない。もちろん、ダウンロード版なんて無かった昔のゲームは必然的にそうなっていただけで、現行に関しては色々な販売方法が混在しているのでゲーマーも柔軟に対応すべきなのだろう。おそらくあと10年もすれば”パッケージ版”というのは消失しそうなので、今のうちにダウンロード版に慣れておく必要がありそうだ。

形が無くたって、好きって気持ちは消えない。

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【日常】ぐみおさんとげーむ。その1 https://ymshgames.com/game-everyday1/ https://ymshgames.com/game-everyday1/#respond Tue, 07 Sep 2021 18:30:00 +0000 https://ymshgames.com/?p=1387 Continue Reading ]]> あれ?前回の更新からもう4年以上経った?

自覚なし。これが平常運転。気が向いた時の不定期更新なのでこれぐらいが丁度良いのではないだろうか。私がこれを書いているということは気が向いているのだが、主な理由としてゲームへの想いが再熱してきたのだ。そして、10年来の知り合いのブロガーたちが未だに活躍されていたり、継続してブログを更新されていることに触発され「久しぶりに書いてみっか!」と自分も思い立ったわけだ。もはや、この”ぐみお”というのがどういうキャラクターだったのか覚えていないが、今の気分はこんな感じとなっている。

前回の更新からおよそ4年間という歳月に私が何をしていたのかというと…忘れてしまった。否、ゲーム以外のことで忙殺されていたという表現が正しい。生活環境が変わり、仕事が忙しくてゲームどころでは無くなってしまっていたのだ。 今までのように多くの時間をゲームに割くことができなくなっており、一つのゲームに1000時間以上費やしていた自分が、まるで嘘のように感じられた。人は、こうも変わってしまうのか、と。

この期間はSNSからも離れ気味になっており、オンラインでの他者との交流が殆ど失われてしまっていた。度々、誰に対してか分からない生存報告をTwitterで呟くこともあったが、それも半年に1回あるかないか程度であった。以前のブログ時代に仲良くしていただいていた方々も、次々とフェードアウトされていった。そんな中で稀にTwitterを閲覧していたら、 周りについていけていない自分とそれに伴う疎外感で、まるで上京したての田舎者のような気分に陥り「やっぱつれぇわ…」と目を背けるようになっていたのは否めない。こうやって私もフェードアウトしていくのか…まぁそれも悪くはないのかな。と自分に言い聞かせていたが、そんな中でも変わらずブログを更新している知り合いも見かけて、純粋に継続して更新していることの凄さを感じ、同時にまた自分も何か書きたいなと突き動かされるだけの影響を与えてくれた。

そして、私に一つ転機が訪れた。PS5を購入できたのだ。“購入する権利”を巡って、めくるめく抽選争いという見えない闘いに辛くも勝利し、私の手元にやってきたというわけだ。といっても、それはもう今年の1月の話。でも、それが燻るゲーマーの心に火を点けるには十分だった。最新のゲームハードと、お誂え向きに今ではゲームを十分に楽しむ時間も確保できる生活にまで落ち着いていたこともあって、条件は揃った。「ゲーマーに戻ろう」

というわけで、先月辺りから “ゲーマーぐみお”を取り戻しつつある。Twitterに高頻度で呟くようにもなり、ゲーム配信も行っている(PS5だけで動画作成してYoutubeにアップロードできるので凄く楽!)。現在ではPS5で『Demon’s Souls』や『BIOHAZARD VILLAGE』などをプレイし、その圧倒的な映像美とプレイ体験にご満悦になっているところだ。一時期狂ったようにハマっていたやり込み指標の”トロフィー・実績”の収集も、最近またゲキアツになってきている…! “一生げーまー宣言”は伊達じゃねぇぜ。

また、先日”PULSE 3D ワイヤレスヘッドセット”を購入したので、それを使用して『BIOHAZARD 7 resident evil』の実況も行ってみた。ほぼ初見と変わらない感じのプレイとなっているので、腕前はお察しではあるが、楽しんでいただければと思う。

さて、次はいつの更新になるか…

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それが想い出に変わるまで。 https://ymshgames.com/change-to-memories/ https://ymshgames.com/change-to-memories/#respond Wed, 12 Jul 2017 13:30:26 +0000 http://ymshgames.com/?p=433 Continue Reading ]]> 想い出とは何かしらの感情が伴っている記憶のことを指すと個人的には解釈している。体験したことが想い出と呼べるものになるまでには一体どれだけの時間を要するのだろうか。人によれば数時間、あるいは数日、あるいは数ヶ月、あるいは数年、あるいは十数年──…いずれにせよ“懐かしい”と感じるようになれば、それは想い出になっているのかもしれない。誰しも良くも悪くも色褪せない想い出の一つや二つは持っているだろう。

そういえば、ゲームのキャッチコピーで「…それはきっと、いつか『想い出』になる物語…」というのがあったが、私の中で想い出になっているのはこのキャッチコピーで、肝心のゲームの内容はあまり覚えていないという…残念ながら“私の想い出になる物語”では無かったみたいだ。

さて、本題に。「唐突に想い出振り返ってんじゃねーぞ!」なんて言われない為に、どうしてこんな話題なのか理由を説明したい。PS3が今年、生産終了したのは皆さんはご存知だろうか?発売から実に10年以上、ついにその歴史に終止符が打たれた。数々の名作を生んできたPS3、時を同じくしたゲーマーはPS3のゲームで一つや二つくらい“想い出”となっているものがあるのではないだろうか?私も発売当初からこれまでずっと一緒に過ごしてきただけにPS3にはたくさんの想い出がある。その長い歴史をなぞるという意味でも、その想い出を振り返っていきたいと思う。

~想い出のPS3ゲームたち~

以前にPS3のゲームの収納棚を整理する為、一旦棚からゲームを全部出して積んでみた時の写真。棚に収納していた時はあまり感じなかったが、こうやってみると自分でも量の多さにビビる。この10年程で実に500本近くPS3のゲームを購入してきた(遊んだとはいってない)。因みに今でもちょいちょい増え続けている。

──今回は私の中で様々な形で想い出となっているPS3のゲームについて激選して紹介していきたい。

【RESISTANCE ~人類没落の日~】

PS3と一緒に購入し、PS3で一番最初に遊んだゲーム。まさに想い出になるには十分の要素を含んでいる。それにPS3が発売された最初の頃ってあんまり他にゲーム出てなかったし、必然的にこのゲームばかりリプレイしていたなー。どういう話だったかとかどういう敵や武器が出てきたかとかすらすら頭に浮かびます。HDMI接続に触れたのもこの時が確か初めてで、当時遊んだ時は「グラフィックすげー!現実みたいやん!」と感動したのを今でも覚えている。それもあって『RESISTANCE』シリーズは好きなゲームの一つ。

【真・三國無双5】

これまでのシリーズと全然違う。最初は「なんで無双武将減ってんねん!なんで大喬はおらんと小喬だけおんねん!つーかレア武器もあらへんしやり込み要素も少ないやんけ!」とか思っていたけど、遊べば遊ぶほど楽しくなっていくスルメゲーだった。不満はやっぱりあったけど、PS3で初めての無双だったし、“一騎当千”の爽快感は凄くあったし、キャタクターの衣装なんかも前作と比べると凄くカッコいい感じに変わってて良かったなー。因みに最新作の『真・三國無双8』ではついに無双もオープンワールドになるそうで、これまでのシリーズとまた違った感じになりそうで楽しみ。

【Call of Duty 4: Modern Warfare】

本気でオンライン対戦を楽しめた唯一のゲーム。基本的にオンラインで対戦したりするのって変に緊張したりするからあんまり好きじゃないんだけど、これだけは本当にやり込みまくった覚えがある。プレステージモードLEVEL10まで必死になって上げてたなぁ。そういう意味でも想い出に残っているけど、当時ではまだ少なかった現代戦を舞台にしたFPSでストーリー重視なところも凄く新鮮で印象深かった。FPSユーザーならこのゲームが想い出に残っている人はかなり多いんじゃないかな?

【Borderlands】

「ぼくのかんがえるさいこうのげーむ」が実現したゲーム。FPSにハマりだしてからずっと「FPSにレベルとかスキルとか装備集めとかそういうRPG要素入れて、オープンワールドで、頭イカれている感じのゲームないかなー」と思っていたが、まさに自分が思い描いていたゲームに完全一致。終身名誉神ゲー。人生で一つしかゲームが遊べないならこのゲームを選ぶ。

【白騎士物語-古の鼓動-】

1000時間も遊べばそりゃ嫌でも想い出になる。何となくノリで始めたMMORPG。オンライン前提のゲームだったが、端からオンラインで遊ぶ気は無かったのでとりあえずストーリーだけクリアして終わろうとか最初は思っていたけど、自分が遊んでいた時期に丁度フレンドも遊んでいて「ほな、やりましょか」という感じでみんなで一緒にやることに。そこからは地獄じゃった…代わり映えのしないクエストを何度も回して素材とギルドポイントを稼ぐ日々。赤鬼マラソン…うっ…頭が…でもフレンドと一緒にやっていたからまぁ楽しめたし、プラチナトロフィーをゲットするまでやり込んだよ!残念ながら今ではオンラインサービスは終了している。

【DRAG-ON DRAGOON 3】

とても悪趣味なゲームだった。第一作目『DRAG-ON DRAGOON』が絶望とするなら、第二作目『DRAG-ON DRAGOON 2』は希望、そして今作は狂気をテーマとしている。個性の押し売りでエログロ何でもあり。鮮烈なデビューを果たした『DRAG-ON DRAGOON』程のインパクトこそないものの、個人的にはPS3で遊んだゲームの中では良くも悪くも想い出深い。特にミハイルの声がクセになる…竜という厳つい見た目に反して中身は子供で「こういうのをギャップ萌えっていうんやな」と感じた。

【F.E.A.R.3】

日本語版はホラーが一転してコメディに。何が想い出になっているかってあの酷すぎる日本語ローカライズ。直訳しすぎな文章に棒読みな日本語吹き替え。未だに雰囲気をぶち壊してくる兵士の「シット!シット!シーット!」「サノバビッチ!」「ファーック!」(日本語発音での英語)が耳から離れない。「日本語ローカライズがひどかったゲーム」では真っ先にこれが思い浮かぶ。そういう意味では印象的なゲームだった。

【PROTOTYPE】

ダークヒーローな主人公に一目惚れ。“フードを被った不健康そうな主人公が縦横無尽にニューヨーク市内を駆け回り、自らの腕を剣や鉤爪に変化させ戦う”…闇系の中二病拗らせちゃってる人からすれば、この設定はドンピシャ。オープンワールド系のゲームとしてもめちゃくちゃ爽快感があって個人的には『Borderlands』に次いで好き。

【Mirror’s Edge】

想い出すと頭がくらくらしてくる。一人称視点でパルクールはヤバイ。フェイスのフェイスが全面に写ったあのゲームパッケージもヤバイ。凄く特殊なゲームなだけに印象はかなり強い。とにかく酔いゲーでゲームする為に酔い止め飲んだのは多分これが初めてだった。記録を更新する為に何度も同じステージを駆け抜けたっけなぁ。記録更新できた時の達成感半端じゃなかったな。今じゃもうそこまでやれる元気はないなー…

 

勿論、遊んできたゲームには一つ一つ想い出はあるのだが、「PS3のゲームの想い出」とした時にすぐに思い浮かんだのが上記のゲームたち。それだけ自分の中ではどういう形であれ心に残っているということなのだろう。PS3は生産終了してしまったが、だからといってそれで終わりというわけではない。私にとってはPS3は未だ現役、まだ出会えていないゲームに会う為、今日もPS3は動き続け、新しい想い出を紡いでいくだろう──

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取捨選択。あの時を振り返る。 https://ymshgames.com/time_to_think/ https://ymshgames.com/time_to_think/#respond Sun, 13 Nov 2016 15:07:42 +0000 http://ymshgames.com/?p=180 Continue Reading ]]> 時の流れというのは残酷で、既に前回の更新から幾ばくの月日が過ぎている。細々とするにも程があるといった感じですね。単純に自分自身にきっかけが無く、更新しなかっただけですが、この間にも色々な出来事やそれに伴って変化がありました。そして今回はふと思い立った、それこそ更新のきっかけがあったので久しく自分の思いを綴った文章を書きたいと思います。辺鄙なところではありますが、何かのご縁でここに訪れたのなら、せっかくなので一読していただけると嬉しいです。

そもそもそのきっかけとは何なのか?それは、“自分自身に余裕が生まれてきた”ことです。ここで言う余裕というのは、時間的な余裕ではなく“精神的”な余裕です。時間的にはこれまで同様、社会人として忙しい日々を送っており、自分の時間として使えるのはどうしても少ないままなのですが、“今の自分の状況・状態”に分相応な過ごし方にするようにしてからは時間的な余裕は無くても精神的な余裕は生まれてきました。考え方一つ変えてみればこうも楽になるのかと驚いております。何事も無茶・無理はしないことですね。

さて、人は生きていく中で、誰しも今後の人生にも及ぶような大きな取捨選択をする場面にあたります。例えば、学生から社会人になった時、そして結婚した時など。ここに共通するのは自分に割ける時間の減少とそれに伴う行動範囲の縮小です。ゲームに関しても「仕事が忙しくてゲームどころじゃねぇ!」「嫁と子供いるし、なかなか家でゲームできんわ…」など、この場面を境に今までゲームをしてきた人でもそのままやめてしまう人が多くいます。「大人になってゲームをしなくなった」というのが大体これですね。私は「暮らしにゲームを」をモットーにしていますが、その暮らしを継続するにはやはり仕事をしてお金を稼がねばなりません。仕事をすればその分時間は削られていきます。当然、自分の趣味に使う時間も減っていきます。まさに前述の通りの「仕事が忙しくてゲームどころじゃねぇ!」って感じです。それでも、ゲームをやめるという選択は私にはありませんでした。

──欲を丸出しにするなら働かなくてもお金が貰えて毎日ゲーム三昧みたいな生活がしたかったです。みんなそうでしょうけど(笑)。ごく少数ですが、ゲームの実況をされている方の中にはそういった生活を手に入れている人もいるみたいですね。正直、そういう夢物語、とても羨ましいですし憧れます。ただ、もうその実況自体が仕事になってしまっている感はありますが…こういうこと考える度、最終的には「宝くじで一等当たってくんねーかなぁ…」って思ってしまいます。おっと、話が逸れましたね。

ゲームが好きな自分は、忙しい日々の中でもゲームは続けていました。“ゲームをするため”に他の自分の趣味が犠牲になってしまったのはまた別の話ですが…とにかく、使える時間は殆どゲームに費やすような生活をしていました。その頃は純粋に楽しかったです。所謂、ゲーマーと呼ばれる人間でした。そして、ある頃に「こんなゲームがあるなんて!みんなに教えてあげたい!」という気持ちが生まれ、「一生げーまー宣言!」というゲームブログを開設しました。最初は本当に何も気にせず自分が好んで遊んだゲームについて思ったこと感じたことを書くだけでした。しかし、次第に閲覧者も増え、他のゲームブログ等との交流も生まれ、もう“自分だけのものではない”という責任感のようなものを覚えはじめ意識するようになりました。自分でいうのもなんですが、割と真面目な性格なので、見てくれている人が満足できるようなちゃんとした記事を完成させるために何日も練って書くことが多かったのです。

そして、途中からふと気づいたのです。「自分はゲームをしたいのに、なんでブログ書くのにこんな時間掛けてるんだろう」「そのゲームは自分が本当にやりたくてやってるの?」──本末転倒でした。当時はブログが軌道に乗っていたこともあり、周りの目ばかりを気にしていました。完全に自分を見失っていたんですね。

そんな馬鹿みたいに何日も掛けて書いたような記事を水準にしてしまったせいで、その水準を満たそうとまた何日も掛けて記事を書くという悪循環…次第にゲームとブログの両立も難しくなり、どんどん更新の間隔も長くなり、自分でも手に負えなくなっていきました。要するにその時の“自分の状況・状態”に分不相応だったんですね。本当に今考えてみれば自分自身に「なんでやねん!アホかいな!」とツッコミを入れたくなります。

そこで最終的に考えついたのが、ブログをやめるという選択でした。もう最後の方は燃え尽きていたんですよね。でも、何年もやってきて時間を費やしてせっかくここまで築き上げてきたのにやめてしまうのも勿体無いかなぁという気持ちもありました。それでも、ゲームがしたいのかブログが書きたいのかと聞かれれば私は「ゲームがしたい」。あくまでもブログは私がゲームを遊ぶ上でのオマケでしかないのです。

というわけでブログをやめて(自己顕示欲からか結果的にはこんなサイトを開設していますが)から、数ヶ月が経ちましたが、最近は何にもとらわれることなく伸び伸びとやりたいゲームを遊んでいます。ブログをやっていた時はゲームを“論理的に楽しむ”ことが多かったのですが、最近は子供の時みたいに“感覚的に楽しむ”感じに戻ってきています。

まとまりのない自分語りですが、こうやって書くのはきっと私自身誰かに聞いてほしいんだと思います。

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ご挨拶 https://ymshgames.com/greeting/ https://ymshgames.com/greeting/#respond Sat, 09 Jan 2016 18:00:35 +0000 http://ymshgames.com/?p=1 Continue Reading ]]> 初めましての方は初めまして!知っている方はどうもです!ぐみおです。

以前まで、プレイ日記型のゲームブログを5~6年ほど続けていました。勿論、そのゲームブログを続けてきた中で得たものは本当に数えきれないですし、かけがえのないものです。色々なゲーマーさんと出会い、これまで自分の知らなかったゲームにも出会うことができました。本当に楽しい思い出がいっぱいです。

しかし、年月を重ねて取り扱うコンテンツが大きくなり、いつの間にか“自分のブログの在り方”という理想に拘り過ぎるようになり、それが原因で自身がスランプに陥ってしまい、ブログを続けるのが困難な状態になってしまいました。拘りが強くなりすぎて上手く表現できなくなっていたんですよね。「このままじゃいけない」と何度も工夫してみたものの立ち直れなかったので、そのままブログから離れてフェードアウトする予定でした。

それでも「自分の表現でゲームのはなしをしたい」という気持ちは潰えませんでした。TwitterなどのSNSが普及した昨今、わざわざブログをやらなくてもそっちでいいかなーとの考えもありました。でも、やっぱり“呟く”だけでは物足りないんですよね。私は自分のはなしを“ひとりごと”で終わらせたくはないのだと、改めて感じました。

ならば、と心機一転、今までのコンテンツを切り離し、こうして新たにサイトを立ち上げさせていただきました。今後ここで細々と気取らずゆっくり気ままにゲームのことでも書ければなぁと思っています。

というわけで「ぐみおさん家のげーむ事情。」──スタートです!

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