無双シリーズではお馴染みの拡張ディスク“猛将伝”。単体でも遊べるが『真・三國無双6』と連動することでその真価を発揮する。本作にはファン待望のストーリーモードでは描ききれなかった英傑たちの活躍、新たな追加要素、新たな無双武将などが収録され、様々な部分でブラッシュアップが施され、より奥深く『真・三國無双6』という作品を楽しめるような内容となっている。
真・三國無双6 猛将伝 (Japanese) – 製品情報
・プラットフォーム / PS3,PC (本項では全てPS3版に準じて記述する)
・ゲームジャンル / タクティカルアクション
・発売日 / 2011年9月29日
・参考価格 / 5,040円
・対象年齢 / CERO:B[12歳以上対象]
・プレイ人数 / 1~2人(オンライン:2人)
・開発 / コーエーテクモゲームス(ω-force) 販売 / コーエーテクモゲームス
■真・三國無双6 猛将伝 – オフィシャルサイト
■前書き
『真・三國無双2 猛将伝』に始まり、以降お家芸といっても過言ではないほど代々続いている派生作品『猛将伝』シリーズ。猛将伝はオリジナル版の“拡張ディスク”という位置づけで無印には無かった新たな要素の追加やシステムの改良などがなされており、例の如くMIXJOY機能を用いて無印と連動することで猛将伝の要素が追加された“完全版”の状態で遊ぶことが可能となる。
既に無双シリーズで恒例化している猛将伝だが、前作の『真・三國無双5』では何故か猛将伝が発売されない異例の事態となって、察するにシリーズの次世代機へのシフトに伴ってこういったアペンドディスク商法は取り止める方針になったのかと思いきや、『真・三國無双6』ではそれまでと同様に当然の如く登場した猛将伝。やはり『真・三國無双5』が特殊だっただけだろうか。
それはさておき、『真・三國無双』シリーズとしては猛将伝が発売されるのは『真・三國無双4 猛将伝』以来で実に6年ぶりとなる。類似の『戦国無双』シリーズでは通例だが、本シリーズでは初めてとなる猛将伝での新たな無双武将の追加が大きな魅力の一つ。本作では新規の無双武将に王異・郭嘉の2名を迎え、『真・三國無双4』以来の登場となる龐徳も無双武将への再昇格を果たし、他にもゲームを盛り上げる新たな要素を用意し、システム面も大幅に練り上げられ無印よりも奥深く遊び込むことが可能となっている。
ゲーム・システム
基本的なゲーム部分の解説は無印のレビューを参照してもらうとして、本レビューでは猛将伝での追加・変更点について執筆する。まずは一番重要な『真・三國無双6 猛将伝』になって加わった主な追加要素や変更点について大まかに列挙していく。
『真・三國無双6 猛将伝』の追加要素・変更点
・プレイアブル武将に揺るぎなき士の魂“龐徳”、復讐に咲く妖花“王異”、享楽の才子“郭嘉”の3名を追加。『真・三國無双4』以来、長らく無双武将として登場せずにいた龐徳が本作で再び無双武将に昇格。得意武器は「双鉞」。更に完全新規の武将として三国時代で唯一戦闘に参加したことのある女性である王異が登場。得意武器は「筆架叉」。そしてファミ通の登場希望武将アンケートで堂々の1位を飾ったファン待望の郭嘉も参戦。得意武器は「打球棍」。龐徳・王異・郭嘉いずれも所属は魏。以上の3名を新たに加え、プレイアブル武将は本作で総勢65名となった。
・ゲームモードにレジェンドモード及びチャレンジモードを追加。レジェンドモードは猛将伝の中核となるモードでプレイヤーは太守となり居城を発展させつつシナリオを攻略していく。シナリオには“英傑伝”と“レジェンド”が存在し、英傑伝が外伝ストーリーでレジェンドが過去作のリメイクマップとなっている。チャレンジモードは特殊なルールの下、ハイスコアを目指すモード。もはや説明不要のシリーズ定番のコンテンツ。画面分割での2Pプレイにも対応しており、タッグでのハイスコアも設けられている。因みにオンラインランキング対応。
・ゲームの難易度に「修羅」を超える最高難易度「究極」が追加。「修羅」とは比べ物にならないほどの難しさを誇る「究極」が新たにゲーム難易度に追加。敵の体力/攻撃力/防御力が上昇し、攻撃頻度も激しいため雑魚でも囲まれれば一瞬で命取りになるレベルに。更に将旗兵が敵武将の能力強化・体力回復を行うようになり、こちらの無双ゲージを空にする効果まで付加されている。加えて肉まん以外の回復アイテムが出現しなくなり、一時的に能力値を上げるアイテムのドロップ率も大幅に低下している。
・宝具武器よりも能力が比ではない秘蔵武器の追加。難易度「究極」の追加に伴い、武器もそれに匹敵するほどの強さを持つ“秘蔵武器”が追加。攻撃力は宝具武器のおよそ2倍、属性レベルも更に高くなり、スロット枠は4つ以上も備えている優れもの。これらの秘蔵武器はレジェンドモードで特定の条件を「修羅」及び「究極」で満たすことで獲得することができる。
・武将の体力/攻撃力/防御力の能力値上限が変更。無印では武将ごとに個別の限界能力値が設定されていたが、本作ではその限界能力値を突破し更に成長するようになった。全武将一律で体力は1000、攻撃力・防御力は1400まで上げられるようになり、これにより武将間の能力値の差は無くなった。
・特殊な効果を得られる“将軍位”システムを実装。レジェンドモードで特定の条件を達成した上でシナリオをクリアすることで将軍位に就任することが可能。武将ごとに第八階級まで設定されており、条件を達成して将軍位に就任すれば様々な特殊効果が得られる。「力が必要な武器使用中に敵に与えるダメージが増加する」「素早さが必要な武器使用中に攻撃で敵の体力を吸収する」など、基本的に戦闘で有利になる効果が得られるようになっており、無印よりも更に武将が強化されるようになった。また、将軍位の第八階級に就任すると特典としてその武将に新たな衣装「上公衣」が得られるようになっている。
・武器系統に「打球棍」「筆架叉」「朴刀」「龍槍」「偃月刀」「双矛」を追加。武器系統に上記の6種類を追加。これで武器系統は全部で42種類となった(DLCによる武器系統は除く)。追加されたこれらの武器系統は「打球棍」が郭嘉、「筆架叉」が王異の得意武器に設定されている他、夏侯惇が「朴刀」、趙雲が「龍槍」、関羽が「偃月刀」、張飛が「双矛」にそれぞれ得意武器が変更されている。これにより夏侯惇・趙雲・関羽・張飛のEX攻撃発動武器は上記の武器になり、他の武将と被らない固有の得意武器となった。
・天稟の特殊アクションに“転身”と“無影脚”を追加。地上で攻撃を受けているときに×ボタンを入力することで緊急回避が行える特殊アクション“転身”、チャージ攻撃中に□ボタンを入力することで敵に体当たりして追撃することができる特殊アクション“無影脚”を追加。これらは本作で追加された新武器系統限定で転身は「龍槍」「偃月刀」、無影脚は「朴刀」「双矛」にのみ対応している。
・兵法書を購入して能力値を強化&武功を獲得するシステムを導入し、且つ力・素早さの強化も可能に。本作ではレジェンドモードの学問所で兵法書を購入することで能力値の強化や武功を獲得できるようになっており、所持金を消費するだけで能力値の強化などが行えるので無印よりも容易に武将を育成することが可能となっている。また、体力/攻撃力/防御力/武功以外にも武器の扱いに関わる力・素早さの能力値も上限の100まで上げられるようになり、これに伴い、最終的には全武将が性別限定武器は除いた全武器を☆☆☆(天稟)の状態で使えるようになった。
・『真・三國無双6』及び『真・三國無双6 猛将伝』から登場したプレイブル武将に特別衣装を追加。蔡文姫、賈詡、丁奉、練師、劉禅、馬岱、関索、鮑三娘、司馬師、司馬昭、鄧艾、王元姫、鍾会、諸葛誕、夏侯覇、郭淮、龐徳、王異、郭嘉の以上19名に新たな特別衣装が用意され、大半は通常衣装とは異なる中華風な趣を感じる衣装になっている。
上記以外にも細かい変更点や修正点などがあり、ゲームバランスの調整や不具合の改善が施されているが、その点は次の項で述べる。本作は形式的には拡張ディスクという位置づけだが、プレイには『真・三國無双6』を必要とせず本作単体で遊ぶことができる。その場合、遊べるのは『真・三國無双6 猛将伝』に収録されているレジェンドモード及びチャレンジモードのみに限定されるが、MIXJOYで『真・三國無双6』と連動することにより、ストーリーモード及びクロニクルモードを猛将伝仕様で遊べるようになる。
また、初回起動時に無印のセーブデータが存在する場合はそれを引き継いで猛将伝をプレイすることも可能となっており、武将の能力から武器や支援獣、所持金など全て引き継げるので無印のセーブデータそのままの状態で開始することができる。
余談だがデータを引き継いだ際、武将の特技ツリーが初期化される(武功は戻る)。これは特技の変更があった武将が存在するため?当然だが、猛将伝→無印にはセーブデータを引き継げないので引き継ぎを利用したいなら無印から先にプレイすること。因みにDLCに関しては『真・三國無双6』で購入したDLCは全て再ダウンロードせずとも本作でそのまま使用可能となっている。
■解説・評論など
・4GB程度の自動インストール有り。HDDの空き容量(5GB以上推奨)に応じてバックグラウンドインストールされる。HDDの空き容量がない場合はインストール無しで遊べるが、ゲームの読み込み速度向上のため基本的にインストール推奨。小ネタだが、本作は無印と違いパッケージや取扱説明書にインストールについての説明がしっかり明記されている。ロード時間の長さを無印と比較すると猛将伝の方が全体的に若干長め。繰り返し遊んでいるとそれが顕著に見られるか。
・猛将伝での主要なコンテンツとしてレジェンドモード&チャレンジモードの二種類が用意されている(後述)。無印と同じくチュートリアル、ギャラリーや事典も存在。更に本作ではオプションから武将の成長初期化が可能となった。
・難易度には「天国」「易しい」「普通」「難しい」「修羅」の5種類に加え、新たに本作では「究極」が追加されている。先に述べている通り、「究極」は「修羅」とは比べ物にならないほどの難易度で特有の難しさが付加されており、一筋縄ではいかない、まさに最高難易度と呼ぶに相応しいものとなっていて非常に歯応えの感じられる戦いが楽しめる。それまでの難易度ではほぼ棒立ちだった将旗兵に敵武将の能力強化や回復などの支援効果を付加したのは戦略性も増して良し。
・レジェンドモードでは無印と比べて敵の出現数が増加し、更なるワラワラ感を実現して一騎当千に磨きがかかっており、殆どのステージで意識せずとも1000KO以上カウントされる程度には増加している。これに伴い、自然と爽快感もアップ。
・無印では武将の力・素早さの数値は固定されていたので全武将が同じように全武器を扱えるわけではなかったが、本作では力・素早さを強化できるようになったので全武将が性別限定武器は除いた全武器を同じように扱えるようになった。従って、無印のように天稟状態で扱いたい場合にわざわざ天稟印をセットして武器の適性を上げる必要が無くなった。要するに力・素早さが強化できる本作では事実上「適性」という要素があまり意味をなさなくなったと考えてもらっていい。
・武将の“位”を上げて様々な特殊効果を得る将軍位システムの実装により、印や特技とは別に更に武将を強化できるようになり、一方で一律となった武将の能力値や武器の扱いに代わって将軍位で得られる特殊効果で武将の個性や強さの差別化を図っている。将軍位にはレジェンドモードのシナリオを特定の条件を達成した上でクリアすることで就任でき、達成後はCLEAR!と表記される。階級が上がると将軍位の条件も難しくなり、且つ第六階級以降はレジェンドモードのエンディングに到達していないと就任不可。得られる特殊効果には「力が必要な武器使用中に敵に与えるダメージが増加する」などの戦闘で有利になる効果のみならず、一部では「敵撃破時に出現する剣と盾が白銀の剣、将軍の盾以上の価値のものになる」といったような効果も存在する。
・無印では自己満足以外で高難易度に挑む意義があまり無かったが、本作では将軍位・秘蔵武器の獲得という目的ができ、「修羅」及び「究極」でクリアする意義が生まれた。宛ら、従来のユニーク武器獲得のようなやり甲斐と通ずる部分がある。また、それ以外にも難易度を上げることでそれに応じて報酬金が増えるようになったのは地味に嬉しい点である。
・全体的にゲームバランスの調整や不具合の改善が施されており、無印の時よりも遊びやすく改良されている点が多い。変更点や修正点を全て挙げていくときりがないので抜粋するが、武将の無双乱舞やEX攻撃は軒並み強化されており、無双乱舞は威力が大幅に上昇し、攻撃範囲の拡大やガードブレイクなども付加され無双乱舞終了後の隙も無くなっている。掴み技系の無双乱舞も低空の敵に対して掴みやすくなり、全体的にコンボにも組み込みやすくなり使い勝手が向上している。EX攻撃は威力や攻撃範囲の強化は勿論のこと、付加効果が得られるEX攻撃は効果自体の強化や効果時間の延長も見られる。
加えて攻撃範囲拡大や旋風が付くと一部の攻撃が当たらなくなるといった戦闘面での不具合も全て修正されている。ただし無双乱舞やEX攻撃の基本威力が増した反面、属性は基本的に1つの技に1回しか乗らないよう調整が施された。これは双剣などのチャージ攻撃で属性が複数回付加され、属性の割合ダメージで敵を圧倒することが可能だったためだろう。属性の調整を受けて弱体化した武器が多い中、無印の武器系統の中でも最弱候補とされていた弩は大幅に性能強化され、C4・C5・C6後に一時的に通常攻撃の矢(炎属性付加)が3WAY発射され、弱点だった攻撃範囲の狭さを克服しており、更に弩に切り替えた時、一時的に攻撃速度と移動速度が上昇するようになり隙の大きさも補えるようになっている。
レジェンドモードについて
猛将伝の中核となるモードで無印のストーリーモードとクロニクルモードを混合させたような内容となっており、プレイヤーは太守となって活動拠点となる“居城”を発展させるため用意された様々なシナリオをクリアしていく。居城は最初のうちは荒廃しているが、発展させていくと賑やかになっていき学問所や交易商を利用できるようになる。
また、補佐役として“副官”を無双武将の中から1名選び、その副官に応じて居城の雰囲気が変化する。副官はいつでも変更可能。居城の雰囲気が“自由”の場合は各種購入費用が割引されたり、“秩序”の場合は次の戦闘での能力値が上昇する効果がある。副官を変更しないまま6回以上シナリオをクリアしていると、それ以降15%の確率で雰囲気が“親愛”になる場合もあり、その際に副官に話しかければまるで恋愛ゲームのような“素敵な台詞”と共に各種兵法書が貰え、ギャラリーの台詞が解放される。
シナリオは“英傑伝シナリオ”と“レジェンドシナリオ”の二種類に大きく分けられており、それぞれ特徴的なシナリオとなっている。英傑伝は猛将伝で追加された龐徳・王異・郭嘉とストーリーモードで操作武将にならなかった武将にスポットを当てた、言わば外伝シナリオで端折られていた武将の活躍やお話の補完も兼ねた内容となっている。進行形式はストーリーモードと同じ。シナリオごとに推奨武将が設定されているが、あくまでシナリオの中心がその武将であって他の武将でも遊ぶことはできる。
レジェンドは過去の『真・三國無双』シリーズの戦場を現在のグラフィックでリメイクし、現行のシステムで遊べるというもの。ステージ構成や台詞(一部追加&変更有り)は当時のままでシリーズファンにとっては懐かしさを味わえるシナリオとなっている。特定のシナリオをクリアしていき最終的に皇帝を奉戴することでエンディングを迎えるが、その後も通常通りプレイは続行可能。2Pプレイ(画面分割・オンライン)に対応。シナリオクリア後は衣装変更も反映される。しかし、BGMの変更は何故かできない。
チャレンジモードについて
シリーズ定番の特殊なルールに則ってハイスコアを目指すモード。本作ではオンラインランキングに対応している。基本的には過去作で搭載されていたチャレンジモードと似たような内容だが、現行のゲームデザインならではの調整がされている。
ルールは全部で4種類で制限時間内にどれだけ敵を倒せるか競う【暴風】、狭い足場から敵を場外に落とした数を競う【彗星】、目標地点にたどり着くまでの時間を競う【迅雷】、次々と現れる武将をどれだけ倒せるか競う【百花】が存在する。
使用する武器系統は自由に選択できる(DLC武器も含む)が武器自体は固定で印は無し。武将の能力値や特技ツリーも固定。本モードではEX攻撃を発動すると一時的に能力値上昇効果が得られ、それを上手く活用することがハイスコアへの鍵となっている。
画面分割にのみ限定されるが2Pプレイにも対応。その場合、シングルスコアとは別にタッグスコアとしてハイスコアが表示される。衣装変更は勿論のこと、本モードではレジェンドモードとは違ってBGMを自由に変更することが可能となっている。
MIXJOYについて
猛将伝を語る上で外せないのがこのMIXJOY。前書きでも述べているように良くも悪くもシリーズ代々続いている機能。本作に『真・三國無双6』のディスクを読み込ませることで全てのコンテンツを一つに揃えた所謂“完全版”へと変貌し、猛将伝のブラッシュアップされたゲームデザインの状態でストーリーモード及びクロニクルモードも楽しめるようになる。
加えてMIXJOYした状態のストーリーモード及びクロニクルモードでは無印では不可能だったことも可能になっている。ストーリーモードではシナリオセレクトに限って全シナリオが全ての武将で遊べ、衣装設定も反映され2Pプレイも可能になり、これにより従来のフリーモードのような遊び方が可能となった。因みに推奨武将以外の場合では幕舎部分はカットされる。
クロニクルモードでは列伝をクリアせずとも最初から全ての武将が選択可能で、列伝にも全ての武将で挑めるようになり、猛将伝で追加された龐徳・王異・郭嘉との交流イベントも新たに追加されている。ただし、列伝は追加されていない。
因みに無印では難易度に関係なく一定だった報酬金だが、両モードともに難易度に応じて報酬金が増えるように変更されている。また、ストーリーモードなどでモブ文官として登場していた郭嘉は、無双武将の郭嘉に差し替わって台詞も若干変化している。
解説・評論などの項で本作は無印よりも敵の出現数が増加したと書いたが、あくまでそれはレジェンドモード限定の話であり、MIXJOYしたからといってストーリーモード及びクロニクルモードの方でも同じように敵が増えるわけではない模様。非公式だが、Playstation Networkにサインインした状態でMIXJOYすればゲーム終了後もしばらく認証が継続される。
☓不評点・改善点
・猛将伝単体で遊べるコンテンツがレジェンドモードとチャレンジモードのみなのはボリューム不足を感じる。過去作の“修羅モード”といった猛将伝を象徴するようなやり込み甲斐のあるコンテンツが何か一つ欲しかったところ。レジェンドモードは内容的にストーリーモードやクロニクルモードの延長で焼き直しステージが多く代わり映えしないし、それに『真・三國無双5』では無印の時点でチャレンジモードが搭載されていただけに猛将伝での追加には今更感がある。
・シナリオに対する問題点を指摘させてもらうと、レジェンドシナリオは“懐かしさ”を味わえる触れ込みのくせに全然味わえない。本来挟まれるはずのイベントを全てカットしたりと改悪部分が見られ違和感を覚える。一体“懐かしさ”とはなんだったのか。また、三国や晋の武将と違って他勢力の武将が活躍する英傑伝シナリオではカットシーンが一つも用意されていない。不遇すぎ。
・レジェンドモードでのBGMが自由に変更できないのは本当に謎である。この仕様には心底ガッカリさせられた。クロニクルモードではBGMの変更が可能だっただけに当然レジェンドモードでもそうなると思っていたのだが…それにクロニクルモードではロード中にBGMを流せるのでそれでロードの煩わしさを紛らわすことができていたが、レジェンドモードではそれが不可能になっているのでロードの長さも相俟ってやや不快指数が上がっていてストレスに繋がる。
・将軍位によって付加される体力吸収効果はもう少し調整の余地あり。全ての攻撃で体力吸収できてしまうのは強すぎる気がする。体力吸収による回復は通常攻撃を除いてチャージ攻撃と無双乱舞のみで発動するのが丁度いいバランスだったかと感じる。あと、将軍位はあまりにもゲームバランスに大きな影響を与えてしまうため、効果は着脱できるようにすれば尚良かったか。
・レジェンドモードで敵の出現数を増加させた結果、あろうことかまたしてもステルスが発生するようになってしまっている。無印ではワラワラ感を実現しつつもそれほど顕著には見られなかったステルスだったが、本作ではハッキリそれが見られ、無双乱舞などで周りの敵を一掃にすると、ステルスで見えてなかった敵が突如周りに大勢出現といったことが頻繁に起こる。
・もう少し雑魚を倒すことの意義を取り入れて欲しかった。倒すにしても印の獲得くらいにしか殆どメリットが無いのは勿体無い。例えば倒した分だけ報酬金を加算するとか、または新たに印を追加して○○人撃破ごとに能力値アップみたいなのが欲しかった。
グラフィック・ヴィジュアル
グラフィック自体は『真・三國無双6』から特に大きな変化は無し。基本的に『真・三國無双6』の同項で述べたことと変わらず。
無印での孫堅の無双乱舞2「螺旋業炎撃」のエフェクトが付加されず、何が螺旋で業炎なのか分からない無双乱舞となっていたが、猛将伝ではちゃんと螺旋の炎が纏うように修正されている。小さな修正点ではあるものの孫堅使いにとっては朗報か。
修羅秘蔵武器及び究極秘蔵武器のビジュアルが全て宝具武器の使い回しなのは残念。もうちょっと拘って欲しかったかも。例えば雷属性なら武器に雷が纏う、氷属性なら武器に冷気が纏うなど属性に合わせて武器にエフェクトを付加させるとか。
ステージにも使い回しが目立ち新鮮さには欠ける。でも過去作のステージを今のグラフィック表現で遊べるのは乙なところ。
上公衣のデザインは通常衣装に兜やマントなどを付け加えただけで薄っぺらい。デザインも4通りしかないので使い回しが目立つ。これは衣装として取り入れるのではなく、装飾品として独立させて衣装毎に兜やマントなどを着脱できるようにして欲しかった。
サウンド
『真・三國無双6』に収録されていたBGMは勿論こちらでも全て収録されている。また、本作で新たにBGMが多数追加された。そのうち本作初出となる新BGMが9曲、Ver1.02~Ver1.04アップデートにより過去作のBGMが計16曲追加されている。
* (因みにVer1.03アップデートで追加された8曲のうち4曲は『真・三國無双6』のVer1.02アップデートで追加されたBGMと同じものとなっている。また、Ver1.02アップデートで追加されたBGMは後に『真・三國無双6』のVer.1.03アップデートの際に同じBGMが追加されているため、ややこしい話だが、つまり『真・三國無双6 猛将伝』の方でしか聞くことができないBGMは実質それらを除いた17曲のみとなっている)
驚くことに本作で追加された龐徳・王異・郭嘉にはそれぞれ専用のBGMが用意されていて他の武将より優遇されている。龐徳は「Twin Ax」、王異は「Teary Edge」、郭嘉は「Trick and Magic」というBGMでどれも武将のイメージに合った良曲。
不評点でも挙げているが、良曲揃いのBGMを存分に活かすためレジェンドモードはBGMの変更を可能にして欲しかったところ。特に過去作のリメイクシナリオであるレジェンドシナリオでBGMが当時のものではなく、汎用BGMに差し替えられているのは残念。
レジェンドシナリオは“懐かしさ”を味わえる触れ込みだったのに、これでは懐かしさどころか微妙な違和感しか味わえない。こういった部分はBGMを変更可能にさえすれば解決できたはず。それをしなかったのはどうしてなのか全く以て理解しかねる。
トロフィー
プラチナトロフィー取得に掛かる時間はセーブデータ引き継ぎ有りで70~80時間程度。引き継ぎ無しの場合は更に+10時間程度。条件に関してはコンプリート系が多く条件の達成を狙うとなると途端に作業化して単調になるいつも通りの無双といった感じだが、本作では秘蔵武器獲得並びに将軍位の就任の過程で「修羅」及び「究極」といった高難易度でのプレイが要求されるため、トロフィー取得にあたってゲーム難易度が問われなかった無印と比べるとこちらの方が総合的な難易度はやや上昇している。
中でも時間が掛かる条件は全ての武将の親愛台詞を聞く『朋友の証』、全ての武将が最高の将軍位に就任する『三國制覇』、シナリオを1000回クリアする『歴戦の将』となっていてこれらの条件を達成するにあたり繰り返しの作業を余儀なくされる。
『朋友の証』や『三國制覇』も面倒だが、特に『歴戦の将』はよほど偏った遊び方でもない限り最後まで残ることになるだろう。条件は並行しながら達成していけるので親愛台詞・将軍位・秘蔵武器など同時にコンプリートを目指していけば効率が良い。2Pプレイを利用すれば将軍位の就任条件や秘蔵武器獲得の条件などもある程度は楽にクリアできるようになるのでオススメ。
たまに勘違いする方がいるようなので一応書いておくが『真・三國無双6』と『真・三國無双6 猛将伝』のトロフィーは別扱いで、MIXJOYで連動してプレイした場合でも取得できるのは『真・三國無双6 猛将伝』で設定されたトロフィーのみとなっている。そのため『真・三國無双6』のトロフィーも取得したい場合は『真・三國無双6』単体でプレイする必要があるので注意。
■概評
相変わらずの商法に納得できるかどうかはともかく、『真・三國無双6』を楽しめたなら遊ぶ価値有り。数々の追加要素を取り入れ、不評が出ていた部分に修正を施し改良されているので無印よりも磨き上げられている。基が良くできているため本作も無印と変わらず楽しく遊べるが、過去作と比べると猛将伝としての特色は薄くなったか。完全に無印の延長なのでストーリーモードやクロニクルモードみたいなモードをもっと遊びたい方にとっては満足できる内容だが、反面、過去作の“修羅モード”や“立志モード”といったコンテンツに魅力を感じていた方にしてみれば物足りない作品に感じる。
150%楽しめるようになる拡張ディスクというよりも、100%にする補完ディスクとしての色合いが強い昨今の猛将伝だが、後発される猛将伝やEmpiresを見越して意図的に無印ではコンテンツを小出しにしたり手を抜いている部分が窺えるのが残念。地味にこれまでの猛将伝と比べてやや価格が高かったり、未だにこういった商法に固執するのは少し呆れるところもあるが、このご時勢だし、今後は是非とも猛将伝も大型DLCという扱いで配信してほしいところだ。その方がMIXJOY必要なくて楽だし。何はともあれ猛将伝単体でもそれなりに楽しめる作品。『真・三國無双6』と組み合わせればその面白さはプライスレスだ。
[PS3]『真・三國無双6 猛将伝』Ver.1.04 – 日本版レビュー
Gumio’s Score : 6.5 / 10 筆者:ぐみお ※この記事は前サイトで2013年に執筆したものです。