アウトブレイクによりゾンビの街と化した舞台から脱出を目指す見下ろし型(トップビュー視点)ゾンビシューター。孤立無援で一人で全てのゾンビを相手にしていくか、Co-opで相棒と共に協力して道を切り開くかは貴方次第。生者のニオイを嗅ぎつけて襲いかかってくるゾンビの大群を多種多様な武器や環境を利用して殲滅していこう!
Dead Nation (English) – 製品情報
・プラットフォーム / PS3 ※ダウンロード専用タイトル,日本語版未発売
・ゲームジャンル / Top-Down Shooter
・発売日 / 2010年11月30日
・参考価格 / $14.99
・対象年齢 / ESRB: M(Mature)[17歳以上対象]
・プレイ人数 / 1~2(オンライン:2)人
・開発 / Housemarque 販売 / Sony Computer Entertainment
■Dead Nation – オフィシャルサイト
■前書き
フィンランドの“Housemarque”が開発を手掛けるPS3専用ゾンビシューター『Dead Nation』。Housemarqueと言えば『Super Stardust』(日本では『STAR STRIKE』)などのタイトルが有名で、基本的に低価格な配信タイトルを主としていてゲーム自体の規模こそそれほど大きくはないが、シューティングゲームの開発には強い印象があり、意外と隠れた良作を持っているデベロッパーである。
本作こと『Dead Nation』はゾンビを題材としているが決してホラー要素が強いというわけではなく、言うならばゾンビ相手に一騎当千する“ZOMBIE無双”といった感じのアクションシューティングなので、恐怖演出などは持ち合わせておらずホラー物が苦手な方でも楽しめる作品となっている。
ゲーム・システム
ストーリーを重視した作品ではないためストーリー上の演出などは薄い。キャンペーンの合間のカットシーンで物語が進行していくが、それほど大それたものではない。物語を簡単に説明してしまうと何故かゾンビに対する免疫を持っていた主人公が、邪魔なゾンビどもを一掃しつつ行き当たりばったりで進行していき街からの脱出を試みるといった感じ。
■解説・評論など
・配信タイトルなので原則としてインストール有り、ゲームサイズは1.6GB程度。
・ロード時間に関しては起動時に長めのロードが入るが、その他では特に目立って長いと感じる部分はない。プレイ中はシームレスで進行していけるのでロードによる影響は受けない。
・マルチランゲージ仕様で英語を始めとする13ヶ国語を収録、ゲームオプション内から変更可能(日本語には対応していない)。ただし音声は全て英語で表示されるテキストのみがその国の言語に変更されるのみ。
・シューティングゲーということもありスコアを導入しているのでアーケード色の強いゲーム性になっている。ランキングシステムにも対応しており個人の各ステージのスコアの比較から、各国のプレイヤーの総成績で国別にランキング化(カントリーランキング)されていたりもする。因みにこのランキングはリアルタイムで更新されていくので意外とモチベーションに繋がります。
・キャンペーンモードクリアに掛かるプレイ時間は3~5時間程度。全10ステージで普通に遊んで1ステージクリアするのにおよそ15~30分は掛かる。入手したアーマー類は別周にも持ち越せるが、武器や所持金などは別周に持ち越し不可となっている。
・セーブ方式はチェックポイント通過によるオートセーブのみ。死亡するとチェックポイントに戻され、通過時点の状態に戻されるためゴリ押しが通用しないようになっている。
・難易度は全部で5種類、“Braindead”“Normal”“Grim”“Morbid”“Undead”があり右にいくほど難しい。GrimでキャンペーンをクリアすればMorbidが、MorbidでキャンペーンをクリアすればUndeadが選択可能になる。難易度を上げることによってゾンビの攻撃力/耐久力/機動力が変化する。出現数などは変化なし。その他にも敵が落とすヘルスパックのドロップ率や大きい金額のLootも入手する確率が低くなる。Co-opでプレイする場合はSoloでプレイするよりも大幅に難易度が上昇する。(ゾンビの能力がSoloと比べて2~3倍上昇)
・操作キャラクターは“Jack McReady(男)”“Scarlett Blake(女)”が存在し、どちらかを選択してゲームを開始できる。キャラクター別の能力差はなくプレイシーンでは見た目が変わる以外に違う点はない。どちらで進行しても基本的にストーリーは同じだが、カットシーンはキャラクターによって異なっている。
・Co-opモードはオンオフ共に対応しており、二人で一緒に遊ぶことも可能。ただしCo-opの画面は個別ではなく二人が必ず画面の中心で戦わなければならず、どうしても片方のキャラクターと一定の距離を維持して進行しなければならないので息の合ったプレイが必要となる。
・ステージ中に点在するLoot(戦利品)の存在はなかなか絶妙な要素になっていて面白い。アーマーやお金なども含まれているため、キッチリ回収していけばそれだけ進行が楽になります。
・それぞれ特徴を持った7種類の武器と5種類の投擲武器が存在する。最初は少ないがキャンペーンを進行していく毎に徐々にWEAPON SHOPに武器並んでいく。購入した武器は強化することが可能でパワーやレート、装填数や所持弾薬といった項目を強化していける。
・敵のゾンビの種類は多めで小型のものから大型のものまで様々なタイプのゾンビが存在する。そして本作におけるゾンビの“音に反応する”という特徴を利用した戦い方がユニークで、音を発する車や投擲武器などを上手く使ってゾンビを一掃するなど戦略性の高いプレイも可能となっている。
余談ですが発売当初に比べて幾度かのアップデートによって“難易度の低下”や“詳細なゲームステータスの表示”など、その他の細かい部分も調整が施されておりゲーム面で大幅に遊びやすく改善されていて現在の親切設計に至った。オンラインCo-opの不安定さが不評点として以前から指摘されていたがこれはアップデートによって既に解消されている。アップデートの詳細についてはオプションの項目[Updates]から確認することが可能です。
☓不評点・改善点
・やや変わった操作性なため、慣れるまで思い通りに(特にエイミング)動かすことができないことが多い。そのため序盤の間は非常にストレスを感じやすくその時点で心が折れてしまう可能性も考えられる。
・トップビュー視点のため画面に映っている自キャラクターが小さく、大群のゾンビに押し寄せられてくると自分が何処に居るのか見失ってしまうことが多い。Co-opプレイ時においてはオンオフ問わずお互い同じ画面内でプレイしなければならないため、同じような動きをする二人のキャラクターが画面内に存在するため動きの多い混戦時になると余計に見失いやすい。
・舞台は常に屋外で夜間のシーンが連続するためステージ構成が単調で個性が感じられない。それに特殊なギミックがあるわけでもなくボス戦なども存在しないため、ただゾンビを倒していくだけの展開なので残念。思い切って白昼のステージなどを取り入れてみれば新鮮さを持たせる意味でも効果があったかもしれない。
グラフィック・ヴィジュアル
オープニングムービーは実写とCGを混合させたものでまるで映画のPVのような作りになっている。ストーリー中の合間に挿まれるカットシーンは全て紙芝居方式で、選択したキャラクターによってカットシーンは変化する(Co-opで遊んだ場合でも若干変化あり)。グラフィック自体は当たり障りのない感じですが、細部に拘った物理演算処理に魅力を感じる。散乱しているオブジェクトが爆風や攻撃を受けて吹き飛んだりするのは視覚的にも気持よく爽快感に拍車をかけている。
一応は題材としているものがゾンビだけあってゴア表現は胴体切断や肉片が飛び散るなど色々ありますが、ゲーム中は見下ろし型の視点で進行していくのでそれほどグロテスクに感じないと共にその点の迫力には欠ける。ヴィジュアルの面で難点となっているのは全てのステージが夜間なので終始暗く、敵を視認しづらいこと。雰囲気が出てるという意味では良いのだが、デフォルトの設定ではあまりにも暗いため逆に遊びにくい。明度を最高にすればある程度見やすくはなるものの、それでもまだ見難さの残る明度となっている。
因みに本作が発表されてから発売に至るまでに公表されたトレイラーに、トップビューのプレイシーンとはまた違ったキャラクターに寄っているような視点のプレイシーンも含まれていたが、実際にはそういった別の視点でのプレイは製品版では無くなってしまっているので注意。
サウンド
音声はランゲージの変更に関わらず英語音声のみ。意外と知られていないが実はカスタムサウンドトラックに対応している。これにより保存してある楽曲から自分のお気に入りをチョイスしていつもの雰囲気とはまた違った雰囲気で遊ぶことも可能。本作のBGM自体にそれほど大きな印象はないですが、状況に応じて曲調が変化していくので雰囲気とはマッチしている。
例えばゾンビの大群が出現した際には壮大なBGMで戦いを盛り上げ、ゾンビの少ない場面ではBGMは大人しいものになってどこからともなく聞こえるゾンビの呻き声や環境音を目立たせている。このようにBGMにメリハリをつけているため、心理的にも煽られて現在の置かれている状況を演出している。
トロフィー
プラチナトロフィー取得に掛かる時間はおよそ15~20時間。キャンペーンモードのMorbidは先にGrimで一度クリアしないと選択できないので最低でも2周は必須となっている。ただし他の累計条件等にあたって「~を○○体倒せ」など繰り返しのプレイを要するため、実質全てのトロフィーを取得するには2周だけでは足りずおよそ4周分ほど遊ぶ必要がある。
『Morbid Curiosity』の条件である“Morbidでキャンペーンモードをクリア”は、少々難しく純粋にプレイヤースキルが求められるので苦手な方には厳しいかもしれないですが、挑戦する前に別周で全てのアーマーを回収しておけばMorbidでも結構楽になるので捗ります。Co-opで二人でクリアを目指すのも良いが、Soloよりも大幅に敵の難易度が上昇するためあまりオススメはできない。
『King Of Looters』の条件である“全Lootを集める”のはステージ中を隈なく探していけば埋まるものの、結構分かりにくい場所に配置されていることが多く情報無しではなかなか骨が折れるので、分からない場所があればyoutubeなどにアップされている有志による動画を参考にすると良い。
他にもCo-op関連の条件もあるがオフラインCo-opでも取得可能なのでコントローラーが2台あれば一人でも大丈夫。Co-opではどちらか片方のプレイヤーが死んでもそのまま進行していけるため、最低難易度でプレイしてどちらかを死なせてしまえばCo-opでもSoloと同じ要領で進めていけます。
■概評
$15という価額の割にはボリュームは豊富でしっかりと遊べる内容。ゾンビだらけの血腥い世界観、難易度の高さや些か特殊な操作感のせいで万人受けするゲームではないが、フルプライスで発売されているパッケージタイトルにも引けを取らないほどの濃さで全体的に出来は良い。私自身はあまりこういったトップビュー視点のシューティングゲームは遊んだことはなかったが、ゲーム自体は結構クラシカルな構成なためすぐに理解できて最初から最後まで楽しめることができた。
しかし、二周目以降も基本的にやることは同じなのでプレイ自体は単調になりがち。スコアアタックなどに面白さを見出せない方からすると飽きるので気分転換に遊ぶぐらいの意気込みが丁度良い。今ではアップデートのおかげでほぼ完成形となっていてシステムの面で大きな不満は特に見当たらないため、気軽なプレーと手頃な爽快感を味わいたいのなら是非とも遊んでみる価値のある作品だ。そして最近になって拡張性を持たせたDLC『Road of Devastation』が新たに配信され始めたので、『Dead Nation』の人気はまだまだ潰えることはなく更なるファンを獲得していくだろう。
※本作はPSNの不祥事の一件のお詫びとして用意された“Welcome Back Campaign”に含まれていたため、 本来は無関心だった多くのユーザーが本作に注目したことで今になってジワジワとまたその人気が上昇してきている。
[PS3]『Dead Nation』Ver.1.07 – 北米版レビュー
Gumio’s Score : 6.5 / 10 筆者:ぐみお ※この記事は前サイトで2011年に執筆したものです。